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Channel: 米澤勝税理士事務所blog
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「会計不正調査報告書を読む」連載第156回が公開されました。

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 毎月連載しているweb情報誌Profession Journal最新号に,「会計不正調査報告書を読む」連載第156回が掲載されました。今回とりあげた調査報告書は,株式会社ラックランドが設置した特別調査委員会の調査報告書です。

profession-net.com

 株式会社ラックランドは,2023年5月12日,「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」をリリースして、会計監査人であるPwC京都監査法人東京事務所(現:PwC Japan有限責任監査法人)から,下請工事業者から受け取った見積書が変造されていることを発見したため,内部監査室長に対して事実関係の調査依頼があったことをきっかけにして,特別調査委員会を設置したことを公表している。同年7月25日には調査報告書を受領し,その後,調査費用が約669百万円と見込まれることを公表しています。
 それからわずか7ヶ月足らず,株式会社ラックランドは、,前回とは全く性質の異なる不適切行為によって,再度,特別調査委員会を設置することとなりました。

 当初は,代表取締役社長による接待交際費の不正使用に対する調査が,デジタルフォレンジック調査の過程で,仮払金や接待交際費として社長に支出された金員が,社長の資産管理会社を経由して,長期売掛金の回収資金として還流していた疑いが発覚し,特別調査委員会は,新たに2人の調査委員を追加して,疑惑の解明に挑みます。

 社長が精算した接待交差費が,実際に長期売掛金の回収資金として貸し付けられたのかどうか,調査報告書は断言を回避しているように感じたところは,少し不満も残りましたが,報告書自体は調査プロセスが詳細に述べられており,読みごたえがありました。

 原稿締切後の6月12日に,株式会社ラックランドは,「再発防止策策定及び新マネジメント体制に関するお知らせ」を公表しています。とりあげるのは,来週にした方が良かったかなと,少し反省をしている次第です。


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