web情報誌Prifession Journal誌上で，「公表裁決事例令和5年10月～12月分」の解説記事が公開されました。前回公表された「令和5年７月～9月分:」では，公表裁決はわずか2件に止まっており，国税不服審判所の秘密主義を心配しておりましたが，今回は9件と，本来の水準に戻っています。相変わらず通則法関係（重加算税・過少申告加算税など）が最も多く5件でした。
とりあげた裁決は3件で，原処分庁側のやや行き過ぎた課税処分を全部取り消した裁決が2件，「信義則違反だ」とする審査請求人の主張に対して「国税庁のサイトにあるタックスアンサーを読めば，通院に係るガソリン代が医療費に該当しないと書いてありますよ」として，棄却した裁決が1件です。私が読んできた限りで，タックスアンサーに書いてあるのだから，基本通達の規定内容が曖昧でも課税処分（本件では通知書分でした）に違法性はないとした裁決は珍しいのではないかと思った次第です。
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